写真家 阿部克自さんの訃報

2008年9月17日肺炎のため逝去されました (78歳) デューク・エリントンらジャズの名演奏家の撮影を多く手がけられ、ジャズの世界では大変著名な方でした。写真集も何冊も出版され、またアメリカのデューク・エリントンの切手は阿部氏撮影でした。力強く印象的な焼き付け処理は特徴がありました。2005年にアメリカからミルト・ヒントン賞を贈られています。

1965年6月バスティアニーニリサイタル来日時に彼の写真を撮影されました。特にキングレコード録音時のLPジャケット写真は、今尚私たちには忘れられない一枚です。録音時にバスティアニーニが使用したトスティの『La serenata』楽譜写真は、曲の分数他、彼が何か所も書き込んだ跡があり、バスティアニーニが帰国時に、それらの写真を持ち帰り、死後も親族に保管されていたことが2001年にわかりました。

本研究会との繋がりは、1992年2月8日「バスティアニーニ没後25周年偲ぶ会」開催準備のため、その前年に阿部氏に写真を依頼し、前述の写真と未発表の写真5枚を現像して譲って頂けました。その後も氏とはバスティアニーニ25周年、35周年の没後周年開催報告やキング社のCD再発売写真選定時や折、折りにお話しさせていただきました。氏からはジュリー・アンドリューズさん、世界的ジャズアーティストとの交流やご自身のご闘病についてもお話下さいました。

丁寧で誠実に接して下さる中にも、情熱を常に感じてきました。氏から頂いた「偉大なアーティストのために情熱的に活動する方を知ると、胸に迫って来るのです」というお手紙は忘れられません。 謹んで哀悼の意を捧げご冥福をお祈り申し上げます。

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